健康診断の眼科項目で
再検査になったら
目の病気はどれも早期発見・早期治療が非常に大切です。健康診断の項目で「再検査」と指摘を受けた場合は、早めに眼科にご相談ください。もし検査の結果で異常がなければ、それで安心できるということもあります。病気が見つかるのが怖いなどの理由で後回しにすることがないようお気をつけください。
健康診断で指摘される
診断名
視力低下
人間ドックや健康診断で実施される視力検査は機械を覗いて検査するものが多いため、実際よりも低めの視力で検出されることもあります。しかし視力に影響を及ぼす目の病気が隠れている可能性もあります。
特に 70歳以上であればほとんどの方に白内障が認められますので、白内障による視力低下を指摘されている場合が多いです。視力が低下している場合には運転免許の更新に支障が出ることもありますので、眼科で正確な視力検査を受けることをお勧めします。
中間透光体混濁
目に入ってくる光は、角膜・水晶体・硝子体を通過して網膜で像を結びます。これら角膜・水晶体・硝子体を中間透光体と呼びます。本来透明である中間透光体が、なんらかの原因で濁ってしまった状態が中間透光体混濁です。
最も多いのは加齢に伴って水晶体が白濁する白内障であり、70歳以上であればほとんどの方に白内障が認められます。また角膜の炎症・傷や硝子体出血なども疑われるため、精密検査が必要となります。
高眼圧
眼球は毛様体で生成される房水という水分により、その内圧を一定に保っています。この眼球の形を保つ圧力を眼圧と言います。高眼圧とは正常値である 10~21mmHgを超えた状態で、ボールに例えるとパンパンに膨らんだ状態とされます。この状態が継続していると目の奥にある視神経が障害され、視野が欠けていく恐れがあります。
緑内障の精密検査が必要となります。一度ご来院いただき眼科一般検査までを行い、視野検査は日をあらためて予定させていただきます。
視神経乳頭陥凹拡大
健康診断で指摘される異常として最も多いものです。視神経乳頭は、眼底の視神経が集まり脳へつながる部分です。眼球内部から見ると少し凹んでいるため、視神経乳頭陥凹と呼ばれています。陥凹部が通常よりも大きく凹んだ状態が、視神経乳頭陥凹拡大です。視神経が障害され、視野が欠けている恐れがあります。
緑内障の精密検査が必要となります。一度ご来院いただき眼科一般検査までを行い、視野検査は日をあらためて予定させていただきます。
網膜神経線維層欠損
網膜神経線維層は視神経乳頭から眼球内に扇状に広がる視神経の線維を指しますが、この線維が傷んで欠けた状態が網膜神経線維層欠損と言います。眼底検査での観察で分かりますが、緑内障の初期に現れる所見とされます。
緑内障の精密検査が必要となります。一度ご来院いただき眼科一般検査までを行い、視野検査は日をあらためて予定させていただきます。
加齢黄斑変性症
加齢に伴って、ものを見る働きを担う黄斑部が衰える病気が加齢黄斑変性症です。格子状の図形を見ると網の目が曲線的に見えてしまう変視症をはじめ、様々な視覚症状が生じます。日本においては中途失明原因第4位とされ、50歳以上の約100人に1人が発症するとされています。加齢黄斑変性症をそのまま放置すると失明に至る恐れがあるため、網膜の精密検査が必要となります。
黄斑前膜(網膜前膜)
加齢に伴って硝子体(眼球内部のゼリー状の物質)が次第に萎縮して、網膜から剥がれる誰にでも起こり得る現象を後部硝子体剥離と言います。黄斑前膜線維症とは後部硝子体剥離が起こる際に硝子体組織が少し残ってしまい、網膜の手前で膜のようになる状態を指します。黄斑上膜や黄斑前膜とも呼ばれます。この膜がだんだん分厚くなると、格子状の直線が曲線状の網目のように歪んで見える変視症や視力低下を引き起こします。この病気のために失明に至ることはほとんどありませんが、変視症や視力低下によって生活の質が大きく下がってしまいます。網膜の精密検査が必要となります。
眼底出血
網膜の血管は細いため、様々な要因で破れて出血してしまうことがあります。主に高血圧性網膜症・糖尿病網膜症・加齢黄斑変性・網膜静脈閉塞症などの病気が原因とされています。眼底出血を起こすことで網膜がむくみ、視力低下など悪影響を及ぼしてしまいます。失われた栄養素の確保のために網膜は新生血管を作ろうとしますが、この即席で作られた新生血管は非常に脆いためすぐに出血を引き起こし、場合によっては大量出血によって大幅な視力低下を招きます。網膜の精密検査が必要となります。
生活習慣と目の健康相談
- 充血しやすい
- 乾きがひどい
- スマホが見えにくい
- パソコン作業がつらい
- 肩がこる
- 目の奥が痛む
- 睡眠不足
- 血圧が高い
- 糖尿病を指摘された
- 目に良い食べ物は?
働き盛り世代から熟年世代まで、仕事や日常生活の中で気づかないうちに目や身体を酷使している年代です。忙しさでつい見過ごしてしまいがちですが、目の不調からQOL(クオリティーオブライフ・生活の質)を損なって体調不良や生活習慣病などの原因となっている場合もあります。
緑内障・糖尿病網膜症・加齢黄斑変性症など、最初は自覚症状を感じにくいうえ、後々重篤な症状を引き起こしかねない病気が発症してくるのもこの年代です。
そして目の加齢に伴う変化として必ず皆さんが患っていくものが白内障です。50代で 40%、60代で 70%、70代で 90%、80代では 100%が白内障を発症していると言われます。当眼科は特に日帰り白内障手術に注力しております。
目の健康について心配事がありましたら、お気軽にご相談ください。
子どもの目の健康相談
- 目やにや充血
- 涙目
- 目を細める
- 片目をつぶる
- 目が内に寄る
- 視線が外れる
結膜炎やめばちこに対する点眼処方を行うことが多いです。
小さなお子さんの視力検査は大人の方に行うのとは異なり、正確な測定が困難です。当眼科は小児眼科は専門ではございませんので、斜視や弱視などの更なる精査が必要と判断された場合は、連携病院にご紹介させていただきます。3歳健診で異常を指摘された場合などは、あらかじめ小児眼科に対応しているクリニックを受診されることをおすすめします。
学校健診
お子さんの視力低下はそのまま放置してしまうと、学力低下や日常生活への支障が出る可能性があります。
目をよく使った後の夕方や夜の時間ほど、視力が不安定になる傾向があります。正確な視力測定をご希望であれば、朝早い時間に検査を受けることをおすすめします。
なお当眼科ではコンタクトレンズは取り扱っておりませんので、コンタクトレンズ装用を検討したい場合には他院を受診してください。